ミニ四駆の思い出
僕の人生で一定期間続いた最初の趣味は、覚えている限りではおそらくミニ四駆だろう。
ミニ四駆で遊んでいたのは、たしか幼稚園から小学校低学年くらいの頃だったかな?
『爆走兄弟レッツ&ゴー‼︎』の漫画を読み、アニメも観てマシンが欲しくなり、親にねだってマグナムセイバーを買ってもらった記憶がある。
それ以来、小遣いが貯まり次第、欲しかったマシンやパーツを買いまくった。誕生日やクリスマスのプレゼントも数年に渡ってミニ四駆を希望していた。
特に記憶に残っているマシンを列挙していこう。
マグナムセイバー
先に述べたとおり、最初に買ってもらったマシンだ。僕のミニ四駆ブームはここから始まった。
当時僕の住んでいた地域では、中国かどこかで作られたらしきパチモンが出回っており、タミヤ公式のミニ四駆よりはるかに遭遇率が高かったのだが、ある日たまたま本物を発見して迷わず購入を決めたのだった。
初めて手に入れたミニ四駆ということもあり、ちょっとしたグレードアップパーツを何個か加えただけで、肉抜きや塗装といった本格的なドレスアップはしなかったと思う。
ファイターマグナム VFX
所々カットされた軽量ボディとカラフルなステッカーが魅力的。僕が初めてスプレー塗装を行い、本格的にドレスアップしたマシンだ。
といっても実際には、子どもの僕以上に父親が張り切り出し、結果、所有者である僕はマシン作成にほとんど関与することなく、最初から最後までほとんど父親によって仕上げられた。
父親は、自由に自分の思い通りのマシンを完成させ、それから数日に渡って走行テストを行い、モーターやギア等の最終調整まで済ませてから、僕に
「お前専用のマシンだぞ(ドヤァ」
と言って渡してきた。
この何でもやってくれてしまう父親にウンザリさせられた最初の経験が、この出来事だった。
この軽量化されたカラフルで美しいマシンであるファイターマグナムVFXが、僕にとっては親の過干渉の象徴となってしまったことに対する悲しみは、生涯消えることはないだろう。
ネオトライダガー ZMS
僕は持っていなかったが、近所に住んでいた友だちが愛用していた。
ボディが平べったくて手にフィットする感じがなんとなく好きだったな。それからホイールキャップが付いていて特別感があった。
ずっと欲しいとは思っていたんだが、他にも欲しいマシンが次から次への出てきてくれたおかげで、結局買う機会を逃したままブームの終焉を迎えてしまったんだよな。
このマシン、友だちの間でなぜか「にわとり」と呼ばれていたんだが、なぜだろう?
ブロッケンギガント
ブロッケンG(ジー)と呼んでいた。なんかやすごく記憶に残りやすい名前だよな。
モーターが前方に付いており、重量感のある力強いデザインのマシンだ。これとブラックスペシャルという黒いタイプも持っていた。
坂道コースに有利だと言われていたが、残念ながら坂道を走らせる機会があまりなかったので、性能面で満足に活躍させてやることはできなかった。
ビートマグナム
マグナムシリーズで一番気に入っていたマシンだ。コクピットサイドに付いているコイルスプリング&ダンパーがクールだ。
『レッツ&ゴー』では、この装置がマシンを爆発的に加速させて、主人公がレースに勝ったんだよな、たしか。
もちろん現実のパーツはただの飾りだが、見た目のかっこよさだけで充分だぜ。
ベルクカイザー
『レッツ&ゴー』でドイツチームが使っていたマシン。コクピットが右サイドに寄っている、左右非対称のデザインが最大の特徴だ。
アニメでは左コクピット型のマシンも存在しており、両タイプが並走して一つのマシンのように見せていたのが印象に残っている。
その左コクピット型も発売すれば良かったのにと思う。まあ、発売したところでアニメみたいにフォーメーションを組んで走ったりはできないんだが、家に並べて飾っておきたかったな。
ディオスパーダ
「レッツ&ゴー』でイタリアチームが使用していたマシン。たしかばあちゃんに買ってもらった気がする。シンプルで洗練されたボディデザインだ。
イタリアチームといえば、マシンにナイフや衝撃波発生装置を仕込んだりして相手を攻撃する、というイカサマ軍団で、その悪役らしい戦い方も作中では魅力的だった。
もちろん、実際のミニ四駆にはそんな武器は仕込まれていないが、僕は自分でフロント部分にカッターナイフの刃をくっつけてばあちゃん家で走らせるという、なかなかやんちゃなごっこ遊びをしていた。
自由皇帝(リバティーエンペラー)
コクピット部分がデカくて丸っこく、全体的に滑らかなフォルムのボディ。皇帝という名のわりに見た目がなんとなくかわいい。
このマシンだけは、いつどこで買ったのかとか、最初に目にしたときの印象とか全く覚えていないんだよな。気づいたらいつのまにか持っていた。
大会優勝者がこのマシンを使っていて、そのドレスアップを真似したのだけは覚えている。
マックスブレイカー
エアロミニ四駆シリーズ最初のマシン。
4点クロスタイプのバッテリーホルダーで、ボディをつけたまま裏からモーターを付け外しできるスーパーXシャーシ、小径ホイール&小径タイヤによって低くなった車高、前輪がむき出しのボディ。
それまでのフルカウルミニ四駆から一新された新世代ミニ四駆のかっこよさに、当時は心震えたな。
その中でも、このマックスブレイカーのデザインが一番好きだった。エアロミニ四駆の原点にして頂点だと思う。
バイスイントルーダー
大半のミニ四駆は、モーター駆動で電池を入れて走らせる走行用モデルだが、プラモデルのように飾って楽しむディスプレイ用モデルのものもある。そのうちのひとつがこれだ。
たしか最初はコロコロコミックの漫画で目にしたんだよな。左右のタイヤをくっつけたり広げたりすることで姿を変えられるという、それまでなかった異色のマシンで、当時なかなか衝撃を覚えた。
ただそのわりに、バイスイントルーダーというマシン名は全く記憶に残らなかったな。この記事を書くために調べるまで、一文字も思い出せなかった。
ダイナホーク GX
初のマイティミニ四駆。獲物を狙って急降下するタカをイメージした流線形のシャープなボディが最高にかっこいい。
大径タイヤを採用していて、性能が非常に良い。また、バンパーガードが付属していてお得感がある(あまり使わなかったけど)。
全ミニ四駆のなかで最も気に入っていたマシンだ。好きすぎて2個買ってしまったほどだ。
なお、マイティミニ四駆は第2次ミニ四駆ブームの衰退期に登場したため、他シリーズに比べて存在感が薄い。そのせいか生産中止になり、なかなか再販されないのが悲しい。
僕もミニ四駆をやっていたのはちょうどこの頃までだったな。
さいごに
当時持っていたマシンやパーツ等は、もう残っていない。たぶん、引っ越しの際にでも処分してしまったんだろう。
ずっと同じ家に住んでいて、昔遊んでいたおもちゃやゲーム等を捨てずにとってある子供部屋の住人たちが、最近はうらやましいと感じる。
…実は少し前にたまたまタミヤ店を発見した際、懐かしくなってマックスブレイカーとダイナホークGX、それからグレードアップパーツを少々買ってしまった。
本格的に復帰するつもりはないが、在宅ワーク中の暇潰しにはちょうど良いかもしれない。