約12年前、Youtubeでヤコブ・スミルノフというコメディアンのショー動画を見た。
彼は1980年代のアメリカで活躍したロシア(旧ソ連)出身のコメディアンで、ソ連とアメリカの文化の違いを風刺的に描くジョークで人気を博した。
例えば、
“In America, you watch TV. In Soviet Russia, TV watches you!”
(アメリカではあなたがテレビを見る。ソ連ではテレビがあなたを監視する)
“In America, you can always find a party. In Soviet Russia, the party finds you!”
(アメリカでは、あなたはいつもパーティを見かける。ソ連では、政党(ソヴィエト共産党)があなたを見つける)
このように、主語と目的語を逆にして、体制の監視社会ぶりを皮肉るというジョーク(ロシア的倒置法と呼ばれている)を持ちネタとしており、私も気に入って当時は何度もその動画を再生して見ていた。
ただ、動画の最後のほうのネタで、最近までわからなかったところがある。
彼がアメリカで「New Freedom」という商品が売られているのを見て、”What a country!” と感動し、まとめ買いするくだりである。
「自由」というものを知らないソ連出身のスミルノフ氏が「New Freedom」という商品を見て、「アメリカでは自由が箱で売られているのだ」と勘違いした、ということまでは理解できたが、「New Freedom」とは何だ?という疑問が残った。
文脈的にコンドームか何かでは?と推測したが、ググってみても、まったく関係のない有象無象の情報がヒットするばかりで、「結論:わからん」ということで調査は中止。未解決のまま12年が経過したというわけである。
そして先日、ChatGPTで遊んでいた際、ふとスミルノフ氏のショー動画を思い出し、「New Freedom」とは何かを聞いてみた。
Q : 1980年代頃、ロシア出身のコメディアンであるヤコブ・スミルノフがショーで「アメリカではnew freedomが売られている」と言って観客が笑っていましたが、このnew freedomとはなんですか?
A : とても面白い質問ですね。ヤコブ・スミルノフ(Yakov Smirnoff)は、1980年代にアメリカで人気だったロシア系のコメディアンで、「In Soviet Russia…」という逆転ジョークでよく知られています。彼のネタは、ソ連とアメリカの文化の違いをユーモラスに取り上げるのが特徴です。
さて、あなたが言及した「アメリカではnew freedomが売られている」というジョークですが、これは実は**「New Freedom」という名前の生理用品(女性用のナプキン)**の商品名をネタにしたものです。
なぜそれがジョークになるのか?
ヤコブ・スミルノフの笑いのスタイルは、「ソ連では自由は存在しないが、アメリカでは自由が“売られている”」という対比です。つまり:ソ連:自由がない
アメリカ:*freedom(自由)*という名前の製品が売られている → 自由をお金で買えるのか!?という皮肉加えて、「New Freedom」という言葉が本来は政治的・理念的な意味合い(例:「新しい自由」「開放された社会」など)を持つ一方で、それが実際には日用品の名前に使われているという文化的なギャップが笑いにつながっているのです。
例:こんな感じのネタです
In America, you can buy something called New Freedom. In Soviet Russia, we only dream of old freedom!
つまり、「アメリカでは“新しい自由”が売られているが、ソ連では“昔の自由”すら夢の中だ」という風刺です。
よろしければ、他のヤコブ・スミルノフのジョークについてもご紹介できますよ。
なるほど。「New Freedom」とは生理用品(女性用のナプキン)の商品名だったと。コンドームではないか?という私の推測は当たらずしも遠からずだった。
さらに追加で質問してたところ、「New Freedom」の商品パッケージも確認することができた。
Q : 生理用品のNew Freedomの画像が見たいです。また、この商品は今でも販売されていますか。
A : 「New Freedom」は、1970年代初頭にアメリカのKimberly-Clark社がKotexブランドの一環として発売した生理用ナプキンです。この製品は、従来のベルトやピンを使用せず、粘着テープで下着に固定するという革新的なデザインを採用し、女性たちにとって大きな利便性をもたらしました。
📸 New Freedomの画像
以下は、1980年代の「New Freedom」生理用ナプキンの広告画像です。この広告では、ベルトやピンを使わない新しい世代の製品として紹介されています。
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出典: National Museum of American History
🛍️ 現在の販売状況
「New Freedom」は、1970年代から1980年代にかけて販売されていましたが、現在は製造・販売が終了しています。そのため、現代の店舗やオンラインショップで新品を購入することはできません。ただし、eBayなどのオークションサイトでは、未使用のヴィンテージ品が出品されていることがあります。
例えば、1980年の「New Freedom」パッドの広告がeBayで販売されており、当時の製品デザインやマーケティング手法を知る手がかりとなります。
🏛️ 関連資料と展示
「New Freedom」や他の生理用品の歴史に関心がある場合、以下の資料や展示が参考になります。Museum of Menstruation: 生理用品の歴史や文化的背景を紹介するオンライン博物館。
National Museum of American History: 「New Freedom」などの生理用品に関する実物資料や広告を所蔵しています。 (americanhistory.si.edu)
「New Freedom」は、女性の快適さと自由を追求した革新的な製品として、当時の社会に大きな影響を与えました。その名称とコンセプトは、ヤコブ・スミルノフのジョークにも取り上げられ、文化的なアイコンとなっています。
というわけで、長年の疑問がようやく晴れた。AI様様だ。
・・・とここまで書き終えた後で、久々にあの動画を見てみようと思い、Youtubeを探してみた。当時見た動画は見当たらなかったが、6年前に再投稿されたものを発見した。
最後あたりのNew Freedomのくだりまで聴いていたところ、
Then I read, it says sanitary napkins.
・・・思いっきりナプキンって言ってた。
当時の自分の英語力に驚愕するとともに、あの頃に比べてはるかに成長したものだと、自画自賛せずにはいられない。